こんにちは、久川和人です。
「同期のあいつには負けたくない!」
「今月は、部内で3位以内の営業成績を上げる!」
など、仕事には何らかの成果を求められます。とくに現代社会においては、「成果主義」が重要視されているので、仕事ではなおさら成果には敏感にならないといけないのではないでしょうか?
今回は、納得感を重視しよう。勝ち負けにこだわらない生き方についてお話していきます。
価値観が「勝ち」「負け」だけになってしまう
成果主義を意識しすぎると、誰かと「引き比べて」成果を考えるようになりがちです。
つまり、自分自身で競争原理の中に身を投げ込んでいるともいえます。
もちろん、競争自体は自分のモチベーションを高めることにつながります。
しかし、同時にすべての価値観が「勝ち」「負け」だけになって、同期の彼に勝って有頂天になったり、営業成績が振るわずひどく落ち込んだり、といった心の動揺や一喜一憂にひどく振り回されることになりかねません。競争には間違いなくそうした部分があります。
仕事のストレスのかなりの部分は、「勝ち」「負け」に対する意識が原因になっていることが多々あるのではないでしょうか。
それに、「勝ち」「負け」にこだわるあまり、「勝つためには手段を択ばない」という強い気持ちが出てきます。そうなってくると、本来は同僚と共有すべき情報を独り占めしたり、相手のミスをひそかに期待するようになったりします。
正々堂々に反する、そんな卑怯で未練がましいことは「恥ずべきこと」だとわかっているのです。
しかし、足を引っ張ったり、裏切ったりすることがビジネスの世界では現実になっているのではないでしょうか。
「勝ち」「負け」のこだわりを捨てる
かりに手段を選ばずに勝ったとしても、勝利に酔いしれたり、「恥ずべきこと」をした後ろめたさはなくなるでしょうか。
そうはいかないと思います。
手段を選ばずに勝ったようなときは、必ずどこか心にしこりが残ります。
だからこそ、「勝ち」「負け」へのこだわりを捨ててみませんか?
禅語にはこんな言葉があります。
「八風吹けども動ぜず」
生きているうちは様々な風が吹いてきます。
八風とは
- 利益
- 衰退
- 陰口
- 名誉
- 称賛
- 悪口
- 苦
- 楽
のことです。
このように良い風も吹けば、悪い風も吹くことがあります。でも、いちいちそれらの風に心動かされることなく、動じない心を持つ、どんな風も楽しもうという意味です。
自分の成績が同僚よりも良いときは、良い風が吹いていると感じ、逆に同僚より成績が悪いときは、悪い風が吹いていると感じるかもしれません。しかし、それは「勝ち」「負け」ではないということです。
そのときどきに、それぞれの風が吹いているだけのこと。ですので、どの風も自然に受け止めたらいいのです。
自然に受け止めるということは、真摯にその状況と向き合うことだといってもいいかもしれません。
真摯に向き合うためには、目を外側にある「誰か」に向けるのではなく、内側の「自分の心」に向けることです。
「今回の仕事を一生懸命やっただろうか?」
「”これでよし”としてしまったけど、もう少しできることがあったのではないだろうか?」
など、一生懸命やった、持てる力を出し切った、と思える仕事はそうそうあるわけではないかとおもいます。でも、心に問いかけて、「まずまず頑張ったな」と感じることができたらそれでいいのです。
まさしく、それはそのときに感じる「納得感」。
だから、「勝ち」「負け」よりも「納得感」が何よりも大事なのです。
僕も仕事をしていて、「勝ち」「負け」を過剰に意識しすぎたときがありました。自分しか知らない情報が手に入ると、誰にも共有せずに独り占めしたり、仕事をミスした同僚に対して助けるどころか嬉しく思ったりして、「勝ち」にこだわることがあったのです。
そのように「勝つ」という考え方が、ストレスにもなり、「恥ずべきこと」を強く意識するようになり、劣等感だけが残りました。
でも、「勝ち」「負け」よりも「納得感」を意識するようになってからは、「恥ずべきこと」やストレスも少なくなり、楽しめることが増えていきました。
おわりに
今回は、納得感を重視しよう。勝ち負けにこだわらない生き方についてお話しました。
納得感があれば、どんな結果であっても、穏やかな心でそれを受け入れることができます。どんな風も楽しむことができるのです。
目を外側にある「誰か」に向けるのではなく、内側の「自分の心」に向けることにしてみてください。
「勝ち」「負け」の意識が少なくなっていきますよ。