こんにちは、久川和人です。
過去の出来事を思い出して、落ち込んだり、クヨクヨしたりすることってありませんか?
それは過去に縛られている、といってもいいかもしれません。そのせいで、いまが楽しめていない、楽しむことができない原因の一つになっているのではないでしょうか。
でも、そのようなときこそ自分を大切にしてほしいと思います。
今回は、「自分を大切にする」とは、「いま」に集中することについてお話していきます。
過去や未来に縛られない
仏教の教えの中に「三世(さんぜ)に生きる」という言葉があります。
三世とは、「過去」、「現在」、「未来」のこと。人間はその三世のつながりの中で生きているのです。現在を生きているということは、過去はすでに死んでいて、現在もたちまち過去になる。そして、たえず未来が生れ、それが現在となっていくのです。
このように、生れては死に、死んでは生まれる、という「生死」の繰り返しが生きることだと、「三世に生きる」という言葉は教えています。
つまり、死んだ過去のことを思い返してみても仕方がないことだし、まだ来ていない未来のことはそこに生まれてから考えるしかない、ということ。
だから、人間は「いま」をどう生きるかしかないということです。
同じような意味で、禅語には「一息(いっそく)に生きる」という言葉もあります。
意味は文字のとおり、呼吸するその瞬間、瞬間を丁寧に生きるということ。過ぎ去った過去やまだ来ていない未来のことを思うのではなく、現在という時間に向き合っていく。その心の在り方だったり、美しい心がけこそが、人生を豊かにしてくれることにつながるのです。
でも、過去のことをいつまでも思い出しては後悔したり、未来のことをあれこれ考えたりしませんか。
昔の僕は後悔ばかりしていました。自分が決めたことなのにいつも、
「もっといい方法はなかったのか?」
「別の方法を選んでおけばよかった。」
といった過去のことばかりを考えてしまうのです。
例えば腕時計を買ったとき。お店で商品を見て、何種類か欲しいのものがあり、散々迷ったあげく、その中から1つを選んで買ったのです。それで買った後に、
「やっぱりあっちの腕時計を買えばよかったかも・・・」
といった感情が出てきました。そうなると、せっかく新しい腕時計を買ったのに、楽しみが半減してしまうなんてことがありました。
そのようなときは、新しい腕時計を買って嬉しいという「いま」のことだけを考えればいいだけなのです。そうすれば、嬉しさだけの感情にひたれるのにもったいないですよね。でも、過去のことばかりを考えてしまうのです。
「いま」をどう生きるか
このように、過去にいつまでもこだわっているということは、そのまま、いまの生き方に対する自信のなさを表明していることなのです。
そうすると、不安や悩み、心配事といったものが心に入り込んでしまいます。極端に言えば、「いま」の自分を蔑ろにしている。今の自分を大切にしていないとも言えるのです。
だからこそ、人間は「いま」をどう生きるかしかない、ということを胸に刻んて欲しいと思っています。そうすることで、今の自分を大切にすることができます。
僕は仕事もお金も住む家もなく、いわゆるホームレスになったことがあります。ホームレスになった初めのころは、
「仕事が無くても所持金が底をつく前に、アルバイトでもいいからしておけばよかった。」
とか、
「システムエンジニア職にこだわらずに、いろいろな会社の求人に応募しておけばよかった。」
といったような後悔ばかりしていました。
でも、ホームレスになってしばらくすると、
「過去のことを悔やんでもどうにもならない。」
と思えるようになり、過去のことを悔やむことをできるだけ考えないようにしました。
そして、「いま」のことに集中することで、どうしたら今の状況で自分が幸せになれるのかを考えて行動するようにしたのです。
その幸せになれる行動とは、
「ホームレスという、自由な環境を楽しもう。」
ということです。
そのことが「自分を大切にする」ということにもなり、過去のことを悔やむことも少なくなっていったのです。
おわりに
今回は、「自分を大切にする」とは、「いま」に集中することについてお話しました。
人間は感情を持っているので、過去の出来事を思い出して、落ち込んだり、クヨクヨしたりすることは仕方がないことです。
でも、過去にこだわっているということは、そのまま、いまの生き方に対する自信のなさを表明していることなのです。
だから、人間は「いま」をどう生きるかしかない、ということを胸に刻み、「一息に生きる」ということをしてみてください。
そうすることで、「自分を大切にする」という生き方が見えていきますよ。